先月の毎日新聞に、このような記事がありました。
トルコ・シリア地震から2か月以上が経過しました。日本を大きく変えた12年前の東日本大震災の関連死を含めた死者・行方不明者(約2万人)よりも、倍以上の方(5万人以上)が犠牲になっているということですから、被害の大きさがわかります。
この地震の発生直後より、日本をはじめ世界各国から救援隊が駆けつけています。派遣された日本医療チームの一人は、「恩返しをしたい」と話したそうです。
トルコと日本は、過去に助け合ったことがあります。トルコは、東日本大震災の時、約3週間にわたって、救助チームを派遣。国際社会で最も長く滞在し、支援をしてくれました。
130年以上前の遭難
トルコは、アジアとヨーロッパの中間にあり、2つの架け橋ともいわれます。
トルコと日本の親しい関係は、今日始まったものではなく、130年以上前にさかのぼります。1890年9月、日本を親善のため訪れていたトルコの軍艦エルトゥール号は、帰国の際、暴風雨のため和歌山県の大島村(今の串本町)沖で沈没しました。乗組員ら600人近くが犠牲になりましたが、村人の懸命な活動で69人が助かりました。トルコではこの史実が小学校の教科書に載るなどして語り継がれたそうです。
トルコ政府は1985年のイラン・イラク戦争の際、イランに足止めされた日本人を救出するために特別機を飛ばしました。時を超えた恩返しをしてくれたのです。
このような写真も掲載されていました。トルコ共和国の資金により昭和12年に建立されたようです。その周囲をそうじする小学生ら。なんとも言えない、光景ですね。この写真もぜひとも、トルコの小学校の教科書に載せていただきたいです。
130年以上前に助けた行いが、2つの国を結び付け、今もなお助け合っている素晴らしさ。
東日本大震災の時は、他の国よりも最も長く滞在し、救助してくれたこと。
慰霊碑の周囲を掃除する、日本の小学生。
恩を返し続けることで、2つの国は、友好的な付き合いができています。
しかし、これとは反対に、嫌なことをされると、あの時されたから嫌なことをし返す。ということも起こります。
これらは、国であっても人であっても同じだと思います。嫌なことに関しては、どちらが始めたのかさえわからず、終われないというようなことも多々あるのでは。
しかし、この記事を読んで、恩返しをし続けることって、心にグッとギュッと来ました。
嫌なことの連鎖も、どこかでいいことをするに、どちらかが切り替えて対応し、恩返しの連鎖に変えることができれば、素晴らしい世界、人とのつながりになるのになと思いました。